雄大な自然が広がるニュージーランドを、思いのままに旅する。そんな理想を叶える手段として、キャンピングカーでの周遊を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、計画を始めると「レンタルと購入のどちらがいいのか」「レンタカーの購入費用はどのくらいかかるのか」といった根本的な疑問に突き当たるかもしれません。
また、具体的な準備段階では、格安で予約する方法、普通免許で運転できますか?といった運転資格の問題、布団や食器などの生活必需品の準備、さらにはRVパークの料金はどのくらいかなど、次々と知りたいことが出てくるはずです。
この記事では、オークランド発のおすすめの旅のモデルルートをはじめ、多くの旅行者がつづるブログだけでは網羅しきれない、キャンピングカーレンタルに関するあらゆる情報を体系的に解説します。失敗や後悔のない、最高のニュージーランド旅行を実現するため、ぜひ最後までご覧ください。
―記事のポイント―
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キャンピングカーレンタル:ニュージーランドの基本と費用
ニュージーランドでのキャンピングカー旅行を計画する第一歩として、基本的な選択肢である「レンタル」と「購入」の違いや、それに伴う費用について理解を深めましょう。運転資格や必要な装備についても解説します。
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レンタルと購入のどちらがいい?

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ニュージーランドでのキャンピングカー利用を考えたとき、最初の大きな分岐点はレンタルするか、あるいは購入するかです。どちらが良いかは、滞在期間や旅のスタイルによって大きく異なります。
一般的に、3ヶ月未満の短期滞在であれば、レンタルが圧倒的に便利で合理的と考えられます。レンタルの最大のメリットは、車両のメンテナンスや保険、登録手続きといった手間が一切かからない点にあります。旅行者は純粋に旅を楽しむことに集中できます。
一方、ワーキングホリデーなどで半年や1年といった長期滞在を計画している場合は、購入も有力な選択肢となります。長期間レンタルし続けるよりも、トータルコストを抑えられる可能性があるからです。ただし、購入には車両を探す手間、登録手続き(WOF:車検、Rego:自動車税)、保険加入、そして帰国時の売却といった多くのハードルが伴います。売却がスムーズに進まないリスクも考慮しなくてはなりません。
それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、ご自身の旅行計画に最適な方法を選ぶことが大切です。
レンタカー購入費用との比較

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レンタルと購入のどちらが経済的かを判断するためには、具体的な費用を比較することが欠かせません。
まず、レンタル費用はシーズンによって大きく変動します。観光のピークである夏(12月〜2月)は最も高騰し、2人用の小型タイプでも1日あたりNZ$150〜50〜20〜$50程度の追加費用がかかります。
次に、購入費用ですが、中古のキャンピングカーは状態や年式によって価格が大きく異なり、NZ$10,000〜$50,000以上と幅広いです。購入後には、WOF(車検/約NZ$60〜)、Rego(自動車税/年間約NZ$100〜)、そして保険料(年間NZ$400〜)といった維持費が継続的に発生します。最大の不確定要素は売却価格です。購入時より高く売れることは稀で、ある程度の売却損は覚悟する必要があります。
これらの点を踏まえると、3ヶ月間の滞在を例にした場合、レンタルの総額は購入の初期費用や維持費、そして売却の手間とリスクを上回ることは少なく、多くの場合でレンタルの方が合理的と言えます。ご自身の滞在日数と、手間やリスクを天秤にかけ、総合的に判断することが求められます。
格安でレンタルするコツ
ニュージーランドでのキャンピングカーレンタル費用は、いくつかの工夫で大幅に抑えることが可能です。賢く予約するためのポイントをいくつか紹介します。
ローシーズンを狙う
前述の通り、レンタル料金は季節によって大きく変動します。もし日程に柔軟性があるならば、夏のハイシーズンを避け、春(9月〜11月)や秋(3月〜5月)に旅行を計画するのがおすすめです。気候も穏やかで過ごしやすく、観光地も比較的空いているため、快適な旅が期待できます。
早期予約を心がける
多くのレンタル会社では、数ヶ月以上前に予約することで適用される「早期割引」を設定しています。出発の3ヶ月〜半年前を目安に予約を済ませることで、通常料金よりも10%〜20%ほど安くなる場合があります。特にハイシーズンの旅行を計画している場合は、車両の確保という面からも早期予約が鍵となります。
比較サイトを活用する
個別のレンタル会社のサイトを一つひとつ確認するのも良いですが、「Motorhome Republic」のような比較サイトを利用すると、複数の会社の料金やプランを一度に比較できて非常に便利です。サイト限定の割引が提供されていることもあります。
リロケーションを利用する
「リロケーション(Relocation)」は、レンタル会社が車両を特定の営業所へ移動させる必要がある際に、破格の値段(時には1日NZ$1)でドライバーを募集する制度です。移動区間や日数が厳しく指定されているため自由度は低いですが、もし旅のルートとタイミングが合えば、交通費を劇的に節約できる裏ワザ的な方法です。
普通免許で運転できますか?

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ニュージーランドでキャンピングカーを運転するために、特別な免許は必要ありません。日本の普通自動車運転免許証と、それに対応する国際運転免許証の2点を携帯していれば、ほとんどのキャンピングカーを運転することが可能です。
国際運転免許証の準備
国際運転免許証は、日本の各都道府県にある運転免許センターや指定の警察署で申請・取得できます。申請にはパスポートや写真などが必要となりますので、事前に管轄の警察署のウェブサイトなどで確認してください。有効期限は発行から1年間です。ニュージーランドで運転する際は、日本の免許証と国際運転免許証の両方を必ず携行する必要があります。
ニュージーランドの交通ルール
運転を始める前に、現地の基本的な交通ルールを理解しておくことが安全な旅につながります。
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左側通行: 日本と同じなので、すぐに慣れることができます。
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ラウンドアバウト: 信号のない環状交差点です。必ず右側から来る車を優先し、自身が進入する際は左へウインカーを出します。出る際は、出る直前の出口を通過した後に左ウインカーを出します。
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速度制限: 特に指定のない一般道は時速100km、市街地は時速50kmが基本です。ただし、キャンピングカーは車体が大きいため、カーブなどでは速度を落とし、常に安全運転を心がけてください。
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譲り合い: 後ろに車列ができた場合は、安全な場所で左に寄り、後続車を先に行かせるのがマナーです。
布団や食器など装備の確認

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キャンピングカーでの生活を快適に過ごすためには、どのような装備が含まれているかを予約時に確認することが非常に大切です。レンタル会社やプランによって、標準装備の内容は大きく異なります。
標準装備と有料オプション
多くのレンタル会社では、キッチン用品(鍋、フライパン、ケトルなど)、食器類(皿、グラス、カトラリー)、冷蔵庫、ガスコンロなどは標準装備として含まれています。一方で、寝具(布団、枕、リネン類)や、屋外で使用するキャンプ用の椅子・テーブル、GPSナビゲーション、チャイルドシートなどは有料オプションとなっていることが一般的です。
予約時には、レンタル会社のウェブサイトで「含まれるもの(Inclusions)」と「追加料金(Extras)」の項目を注意深く確認してください。寝具などを全てオプションで追加すると、予想外の出費になることもあります。全ての生活用品が含まれた「オールインクルーシブ」のようなパッケージプランを提供している会社もありますので、個別にオプションを追加する場合との料金を比較検討すると良いでしょう。
何が必要で何が不要かを事前にリストアップし、自分の旅のスタイルに合わせて過不足なく準備することが、余計な出費を抑え、快適な旅を実現するポイントです。
失敗しないキャンピングカーレンタルで ニュージーランドの旅

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基本的な知識と費用感が掴めたら、次はいよいよ具体的な旅の計画です。ここでは、人気のルートや宿泊場所の選び方、そして情報収集のコツなど、旅を成功させるための実践的な情報をご紹介します。
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オークランド発のおすすめルート

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ニュージーランド最大の都市であり、多くの国際線が発着するオークランドは、キャンピングカーの旅を始める絶好の拠点です。ここから北島を巡る魅力的なルートをいくつか紹介します。
1週間の王道!北島周遊ルート
もし1週間程度の時間があれば、北島の主要な見どころを巡る王道ルートがおすすめです。 オークランドを出発し、まずは美しいビーチが連なるコロマンデル半島へ。カセドラル・コーブやホット・ウォーター・ビーチは必見です。その後、南下して地熱地帯で有名なロトルアへ向かいます。間欠泉やマオリ文化に触れることができます。さらに南のタウポ湖で美しい湖畔の景色を楽しんだ後、オークランドへ戻るという約700kmの周遊ルートは、北島の多様な自然と文化をバランス良く体験できます。
3〜4日の北部満喫ルート
短い日程であれば、オークランドから北へ向かうルートが良いでしょう。目的地は「ベイ・オブ・アイランズ」。ここは歴史的な街並みが残るパイヒアやラッセルを拠点に、イルカウォッチングやセーリングなどのマリンアクティビティが楽しめます。道中では、樹齢2000年を超える巨木カウリ「タネ・マフタ」に立ち寄ることもできます。
旅の計画を立てる際は、1日の移動距離を200km〜250km程度に抑えることがポイントです。移動ばかりで疲れてしまわないよう、時間に余裕を持たせたスケジュールを組むことで、気に入った場所でゆっくりと過ごすという、キャンピングカーならではの自由な旅が実現します。
事前に知りたいRVパークの料金
ニュージーランドでキャンピングカーの旅をする上で、宿泊場所となるRVパーク(現地ではホリデーパークやキャンプグラウンドと呼ばれることが多いです)の知識は不可欠です。施設の種類によって料金や設備が大きく異なります。
ホリデーパーク (Holiday Park)
最も設備が充実しているのが、民間のホリデーパークです。シャワー、トイレ、共同キッチン、ランドリー、Wi-Fiなどを完備しており、快適に過ごすことができます。車両を電源に接続できる「パワードサイト(Powered Site)」が基本で、料金は1人1泊あたりNZ$25〜$50程度が相場です。「TOP 10」や「Kiwi Holiday Parks」といった大手チェーンがあり、施設によってはプールやBBQエリアも備えています。特にハイシーズンは混み合うため、事前の予約が推奨されます。
DOCキャンプサイト
DOC(Department of Conservation/環境保全省)が管理するキャンプサイトは、国立公園や景勝地など、自然豊かな場所に設置されています。設備はトイレのみといったシンプルな場所から、シャワー(冷水のみの場合もあり)がある場所まで様々です。料金は無料で利用できる場所から1人1泊NZ15前後と非常にリーズナブルです。大自然の中で静かに過ごしたい方には最適です。
フリーダムキャンピングの注意点
指定された場所以外で自由に車中泊をすることは「フリーダムキャンピング」と呼ばれますが、近年ルールが非常に厳格化されています。自己完結型(トイレなどが車内に完備されている)の認定を受けた車両でなければ利用できない場所が多く、違反した場合は高額な罰金(NZ$200以上)が科されます。
旅の計画には、「CamperMate」や「Rankers Camping NZ」といったスマートフォンアプリの利用が極めて有効です。これらのアプリを使えば、現在地周辺のキャンプサイトを検索でき、料金や設備、利用者のレビューなどをリアルタイムで確認できます。
おすすめの旅の計画はブログを参考に

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旅の計画を立てる際、個人の旅行者が発信するブログは非常に貴重な情報源となります。ガイドブックには載っていないリアルな体験談や、細かなヒントが満載です。
ブログを参考にする最大のメリットは、具体的な旅のイメージを掴みやすい点にあります。実際に旅をした人がどのようなルートを辿り、どこで食事をし、どんな美しい景色に出会ったかを知ることで、自分の旅へのインスピレーションが湧いてきます。また、思わぬ失敗談なども紹介されていることがあり、同じ轍を踏まないための教訓として役立ちます。
ただ、ブログの情報を利用する際にはいくつか注意が必要です。まず、情報の鮮度を確認することが大切になります。特に料金や施設のルールに関する情報は変わりやすいため、投稿年月日が古い場合は注意が必要です。また、内容はあくまで個人の主観的な感想であるため、複数のブログを読み比べ、多角的な視点を持つことが望ましいでしょう。
最終的には、ブログで得た情報をきっかけにしつつも、レンタル会社やホリデーパークの公式サイトで料金や予約条件などの正確な情報を必ず確認する、という手順を踏むことが、確実で失敗のない旅の計画につながります。
最高の旅を!キャンピングカーレンタル ニュージーランドのまとめ

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ニュージーランドでのキャンピングカー旅行を成功させるための要点を、最後にまとめます。これらのポイントを押さえて、あなただけの最高の旅を計画してください。
―記事のまとめ―
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