キャンプでランタンは何個必要？個数と選び方

 

キャンプの夜を快適に過ごすために欠かせないランタンですが、キャンプでランタンが何個必要なのか、迷ってしまう方は少なくありません。ソロキャンプやファミリーキャンプといったスタイルの違いで、求められるランタンの数や種類は変わってきます。

また、メインランタンはいらないという考え方もあり、それぞれのランタンが持つメリットデメリットを正しく理解することが、失敗や後悔を避ける鍵となります。この記事では、サイト全体を照らす効果的な配置のコツから、最強の組み合わせ、さらには防災にも役立つおすすめのランタンの選び方まで、あなたの疑問を解消するための情報を網羅的に解説します。

この記事を読むことで理解が深まる4つのポイント キャンプスタイル（ソロ・ファミリー）に応じたランタンの必要個数の目安 LEDやガスなど主要ランタンの種類別のメリットとデメリット サイト全体を快適に照らすための効果的なランタン配置術 キャンプ用ランタンを防災グッズとして活用する際の選び方

 

 

キャンプでランタンは何個必要？基本を解説

 

• ソロ・ファミリーでの必要数の違い

• メインランタンはいらない？その理由

• ランタン種類のメリットデメリット

• ランタン選びで重要なルーメンとは

• テント内で使う際の注意点

 

ソロ・ファミリーでの必要数の違い

 

キャンプに持っていくランタンの数は、キャンプのスタイルによって大きく異なります。必要な光量を確保しつつ、荷物を最適化するための目安を解説します。

 

ソロキャンプの場合

 

ソロキャンプでは、荷物をできるだけコンパクトにまとめたいため、ランタンは1個から2個が目安となります。

最もミニマムな構成は、テント内と手元を照らせる小型のLEDランタン1個で済ませる方法です。夜間の移動や作業はヘッドライトでカバーすると考えれば、これで十分な場合もあります。

もし、サイト全体にもある程度の明るさが欲しい場合は、小型のメインランタン（LEDまたはガス）1個と、テント内用の小型LEDランタン1個の合計2個があると非常に快適です。

 

ファミリーキャンプの場合

 

ファミリーキャンプでは、活動範囲が広くなり、安全確保の観点からも十分な光量が必要です。そのため、最低でも3個以上のランタンを用意することをおすすめします。

基本的な構成は、サイト全体を照らす大光量の「メインランタン」1個、食卓を照らす「テーブルランタン」1個、そしてテント内で使用する「テント内ランタン」1個の合計3個です。

さらに、子供がトイレに行く際などに持つための小型ランタンや、炊事場などへの移動用ライトがあると、より安全で便利になります。

 

メインランタンはいらない？その理由

近年、キャンプスタイルが多様化する中で「メインランタンはいらない」という意見も聞かれるようになりました。これにはいくつかの理由と考え方があります。

まず、メインランタンが不要とされる理由の一つは、複数の小型ランタンで光量を補うスタイルが普及したことです。例えば、テーブルランタンを複数設置したり、各所に小型のLEDライトを配置したりすることで、大光量のランタン1個に頼らなくてもサイト全体の明るさを確保できるという考え方です。特にソロキャンプやデュオキャンプでは、この方法で荷物を小型化するキャンパーも多くいます。

また、キャンプの雰囲気を重視し、あえて全体の明るさを抑え、焚き火やテーブルランタンのほのかな光で過ごしたいというニーズもあります。

一方で、メインランタンが必要とされる最大の理由は「安全性」です。特にファミリーキャンプやグループキャンプでは、サイト全体が明るく照らされていることで、子供が何かに躓いたり、夜間に活動したりする際の危険を減らせます。暗い場所を作らないことは、快適さだけでなく安全管理にも直結します。

 

ランタン種類のメリットデメリット

ランタンは使用する燃料や光源によって、特徴が大きく異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、ご自身のキャンプスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

主なランタンの種類としては、「LED」「ガス」「ガソリン」「オイル（灯油）」の4つが挙げられます。

種類	メリット	デメリット
LEDランタン	・火を使わないため安全性が非常に高い ・テント内での使用が唯一推奨される ・点灯が簡単で、光量調節も容易 ・電池式や充電式があり、防災用にも適している	・ガスやガソリンに比べ、最大光量が劣る場合がある ・燃料系のような「炎のゆらめき」はない ・低温下では電池の消耗が早まることがある
ガスランタン	・LEDに比べて大光量のモデルが多い ・マントルが発する光が暖かく、雰囲気が出る ・CB缶（カセットボンベ）タイプは燃料が手軽	・火を扱うため、一酸化炭素中毒や火災のリスクがある ・テント内での使用は厳禁 ・マントル（発光体）が消耗品で、衝撃に弱い
ガソリンランタン	・非常に明るく、大光量（メインランタンに最適） ・寒い場所でも安定した光量が得られる ・燃料コストが比較的安い	・点火作業（ポンピング）に手間とコツが必要 ・定期的なメンテナンスが不可欠 ・火を扱うため、安全管理に細心の注意が必要
オイルランタン	・炎のゆらめきが美しく、雰囲気を重視するのに最適 ・構造がシンプルで扱いやすい ・燃料（灯油やパラフィンオイル）が安価	・光量が小さく、メインランタンには不向き ・風に弱いモデルがある ・火を扱うため、テント内での使用は危険

このように、安全性と手軽さを重視するならLED、雰囲気と明るさを両立したいならガス、圧倒的な光量とロマンを求めるならガソリン、そして雰囲気を楽しむサブとしてオイル、といった使い分けが考えられます。

 

ランタン選びで重要なルーメンとは

 

ランタンを選ぶ際、パッケージなどで必ず目にする「ルーメン（lm）」という単位は、そのランタンが発する光の総量、つまり「明るさ」を示す数値です。この数値が大きいほど、より明るいランタンであると言えます。

ただし、やみくもにルーメン数が大きければ良いというわけではありません。使用するシーンに適した明るさがあります。

 

シーン別ルーメン目安

 

一般的に推奨されるルーメンの目安は以下の通りです。

使用シーン	明るさ（ルーメン）の目安	主な役割
メインランタン	1000ルーメン以上	サイト全体を広範囲に照らし、安全を確保する
テーブルランタン	150～300ルーメン程度	食卓や手元を明るく照らす（眩しすぎない程度）
テント内ランタン	100ルーメン前後	テント内で着替えたり、荷物を探したりするのに十分な明るさ
移動用	50～100ルーメン程度	トイレや炊事場への移動時に足元を照らす

例えば、テーブルランタンに1000ルーメンのものを使うと、明るすぎて眩しく、かえって快適さが損なわれる可能性があります。逆に、メインランタンが100ルーメンでは、サイト全体を照らすには力不足です。

このように、ランタンを何個持つかを考える際は、それぞれの役割に応じたルーメン数を組み合わせて選ぶことが、快適なキャンプサイト作りの鍵となります。

 

テント内で使う際の注意点

テント内でのランタン使用には、最も厳しい安全基準が求められます。誤った使用は、火災や一酸化炭素（CO）中毒といった重大な事故に直結するため、細心の注意が必要です。

 

テント内で使用できるのはLEDのみ

 

まず大原則として、テント内（インナーテントの中）で使用が推奨されるランタンは「LEDランタンのみ」です。

ガスランタン、ガソリンランタン、オイルランタンといった燃焼系（火を使う）ランタンは、テント内での使用は絶対におやめください。これらのランタンは燃焼時に酸素を消費し、不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。テントのような密閉空間では、一酸化炭素が充満しやすく、就寝中に使用すると命に関わる危険があります。

また、燃焼系ランタンは本体が高温になるため、テントの生地や寝袋などに触れると火災の原因となります。転倒による引火のリスクも非常に高いです。

 

LEDランタン使用時のポイント

 

安全なLEDランタンであっても、テント内で使用する際にはいくつかのポイントがあります。

• 明るさ（ルーメン）: 前述の通り、テント内では100ルーメン前後の明るさがあれば十分です。明るすぎると目が眩しく、リラックスできません。光量調節機能や暖色系の光に切り替えられるモデルがおすすめです。

• 吊り下げ: テント内の天井部にはランタンを吊るすためのフック（ループ）が備わっていることが多いです。ここに吊り下げて使用すると、テント内全体を均一に照らすことができ、ランタンを蹴飛ばして破損させるリスクも減らせます。

安全にキャンプを楽しむため、テント内での火気の使用は厳禁であると強く認識してください。

 

キャンプでランタンを何個使う？シーン別活用術

• 効果的なランタンの配置テクニック

• 初心者にもおすすめのランタン紹介

• 最強のランタン組み合わせパターン

• 防災グッズとしても役立つランタン

• サイト全体を照らす方法

• キャンプでランタンを何個持つか総括

 

効果的なランタンの配置テクニック

 

ランタンは、ただ明るいものを1個置けば良いというわけではありません。複数のランタンを効果的に配置することで、サイト全体が快適で安全な空間になります。

 

影を作らないことが基本

 

快適なサイト作りの鍵は「影」をいかに減らすかです。例えば、非常に明るいメインランタンを1個だけ設置すると、その光が届かない場所は逆に深い影となり、足元が見えにくくなることがあります。

これを防ぐには、メインランタンとは異なる方向（例えば対角線上）にもう一つサブランタンを配置するなど、複数の光源で影を打ち消しあうように配置するのが効果的です。

 

高さを使った配置

 

ランタンは、できるだけ高い位置に設置することで、光が広範囲に届きやすくなります。

• メインランタン: 専用の「ランタンスタンド」や「ランタンポール」を使い、リビングスペースの端など、人の動線を邪魔せず、かつ全体を見渡せる高い位置（地上2メートル前後）に吊るします。

• テーブルランタン: テーブルの上に直接置くか、テーブルに取り付けられる小型のランタンハンガーを使い、手元を照らします。

• テント内: 前述の通り、テント内のフックに吊り下げます。

 

虫除けを意識した配置

 

夏場のキャンプでは虫の問題も重要です。虫は光（特に強い光）に集まる習性があります。

この習性を利用し、最も明るいメインランタン（特にガスやガソリンランタン）を、人が集まるテーブルやリビングスペースから少し離れたサイトの隅に設置するというテクニックがあります。これにより、メインランタンが「おとり」となり、テーブル周りに寄ってくる虫を減らす効果が期待できます。

 

初心者にもおすすめのランタン紹介

 

キャンプ初心者が最初に選ぶランタンは、何よりも「安全性」と「扱いやすさ」を優先することをおすすめします。

 

メインランタンのおすすめ

 

初心者のメインランタンとして最もおすすめなのは、大光量の「LEDランタン」です。

1000ルーメン以上の明るさを持ち、充電式または電池式（単一電池など）のモデルが適しています。火を使わないため、子供がいるファミリーキャンプでも安心してサイト全体を照らせます。点火の必要がなく、スイッチ一つで点灯できる手軽さも魅力です。

 

テーブル・テント内ランタンのおすすめ

 

テーブルランタンやテント内ランタンにも、もちろんLEDランタンがおすすめです。

特にテント内で使用するものは、安全面からLED一択となります。テーブル用には、食事が美味しく見える「暖色系」の光に切り替えられる機能や、光量を細かく調節できる機能があると便利です。150〜300ルーメン程度のものが使いやすいでしょう。

もし、雰囲気も楽しみたい場合は、テーブルランタンとして「CB缶（カセットボンベ）を使用するガスランタン」を検討するのも良いでしょう。ガソリンランタンに比べて点火が容易で、マントルの優しい光が食卓を彩ります。ただし、火を扱うため、テーブルから転倒しないよう安定した場所に置き、周囲に燃えやすいものを置かないよう十分な注意が必要です。

 

最強のランタン組み合わせパターン

 

 

キャンプスタイルや目的によって、「最強」と呼べるランタンの組み合わせは変わってきます。ここでは、いくつかの代表的なパターンを紹介します。

 

安全・利便性重視（ファミリー向け）

 

ファミリーキャンプや、火の扱いに慣れていない初心者の方に最適な、LEDのみで構成するパターンです。

• メイン: 1000ルーメン以上の大光量LEDランタン × 1個

• テーブル: 300ルーメン前後の暖色系LEDランタン × 1個

• テント内: 100ルーメン程度の小型LEDランタン × 1個

• （予備）: 子供用の小型LEDランタンやヘッドライト × 人数分

この組み合わせは、火災や一酸化炭素中毒のリスクがゼロでありながら、十分な明るさを確保できる最も安全な構成です。

 

雰囲気重視（中級者向け）

 

キャンプならではの「炎のゆらめき」を楽しみたい中級者以上向けの組み合わせです。

• メイン: 大光量ガスランタン（またはガソリンランタン） × 1個

• テーブル: オイルランタン（または小型ガスランタン） × 1個

• テント内: 100ルーメン程度の小型LEDランタン × 1個

• 移動用: ヘッドライト × 1個

メインにガスやガソリンの力強い光を使い、テーブルにはオイルランタンの小さな炎を灯すことで、非常に雰囲気のある夜を演出できます。ただし、テント内だけは安全のために必ずLEDを使用することが鉄則です。

 

防災グッズとしても役立つランタン

 

キャンプ用のランタンは、停電や災害時にも非常に役立つ「防災グッズ」としての一面も持っています。キャンプ用と防災用を兼用して備えておくことは、とても合理的です。

防災用として適しているランタンには、いくつかの条件があります。

 

防災に向くランタンの条件

 

1. LEDランタンであること:

   室内での使用が前提となるため、火災や一酸化炭素中毒のリスクがないLEDランタンが必須です。

2. 電源の確保が容易であること:

   • 電池式: 単三電池や単一電池など、入手しやすい乾電池で動くタイプは、電池さえ備蓄しておけば長期間使用できます。

   • 充電式: 大容量バッテリーを内蔵した充電式も便利ですが、停電が長引くと充電が切れるリスクがあります。

   • ハイブリッド・多電源タイプ: USB充電、ソーラー充電、手回し充電、乾電池の全てに対応できるモデルが防災用としては最強と言えます。

3. 長時間点灯が可能であること:

   光量を落としたエコモードなどで、数十時間〜百時間以上点灯できるモデルだと安心です。

4. その他の機能:

   • モバイルバッテリー機能: ランタンからスマートフォンなどに給電できる機能は、災害時の情報収集に非常に役立ちます。

   • ラジオ機能: ラジオが聴けるモデルも防災グッズとして優れています。

キャンプでLEDランタンをメインに使っている方は、それがそのまま優れた防災グッズにもなっていると言えます。

 

サイト全体を照らす方法

前述の通り、サイト全体を快適に照らすには、単に明るいランタンを置くだけでなく、配置の工夫が必要です。

サイト全体を明るくする目的は、夜間の作業（料理など）をしやすくすることと、安全性を確保することです。そのために、まずは1000ルーメン以上を目安とした大光量のメインランタンを、ランタンスタンドなどを使って高い位置に設置します。これがサイトの基盤となる光です。

しかし、メインランタン1個だけでは、必ず強い影ができてしまいます。そこで、リビングスペースやテーブルを挟んでメインランタンの対角線上、あるいは横方向にもう一つサブとなるランタン（300ルーメン程度）を配置します。これにより、メインの光が作る影を、サブの光が打ち消す形になり、サイト全体が均一に明るくなります。

さらに、料理をする手元や食卓には、専用のテーブルランタンを置くことで、作業性が格段に上がります。このように「メイン（高・広範囲）」「サブ（中・影消し）」「テーブル（低・手元）」というように、高さと役割の異なる光を複数組み合わせることが、サイト全体を効果的に照らす方法です。

 

キャンプでランタンを何個持つか総括

キャンプで快適かつ安全に過ごすために、ランタンが何個必要かについての要点を以下にまとめます。