ヒマラヤでのトレッキングは、多くの登山愛好家にとって究極の夢の一つです。しかし、その壮大な夢を実現するためには、現実的な計画、特にヒマラヤ トレッキング 費用の把握が欠かせません。一体どれくらいの予算を見積もれば良いのか、費用や値段の内訳はどうなっているのか、不安を感じる方も多いでしょう。
この記事では、ネパールでのトレッキングを計画中の初心者の方にも分かりやすく、ツアー参加と個人手配の比較、必須となる入山料、最適なベストシーズン、そして現地ツアーを利用する場合のメリットやコースの選び方まで、費用に関するあらゆる疑問に答えていきます。失敗や後悔のない計画を立て、安全に登頂(展望台への到達)を目指すため、難易度に応じた準備と予算の内訳を詳しく解説します。
この記事を読むことで、『ヒマラヤ トレッキング 費用』と検索した読者が具体的に何について理解を深められるか、ポイントをまとめました。
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―記事のポイント―
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ヒマラヤ トレッキング 費用の全体像

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ツアー参加の費用 値段の相場
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個人手配でかかる費用
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入山料(パーミット)は必須
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ネパールまでの航空券と滞在費
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現地ツアーのメリットと相場
ツアー参加の費用 値段の相場

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ヒマラヤトレッキングに参加する方法として、最も手軽で安心なのが日本発のパッケージツアーです。これらのツアーには、日本からの往復航空券、ネパール国内の移動費、宿泊費、食事代、ガイドやポーターの費用、各種許可証の代行費用などが含まれていることが一般的です。
費用の相場は、選択するコースの日数や難易度、利用する航空会社、宿泊するロッジやホテルのグレードによって大きく変動します。
例えば、初心者向けの比較的短いハイキングや展望を楽しむ7日間程度のツアーであれば、30万円台後半から50万円程度が目安となるでしょう。一方、エベレスト街道をじっくり歩き、カラパタールなどを目指す10日間から14日間程度の本格的なトレッキングツアーになると、価格は50万円から70万円以上になることもあります。
メリットとしては、複雑な手続きや現地での手配をすべて旅行会社に任せられるため、特に初心者の方や言葉に不安がある方にとっては安心感が大きい点が挙げられます。デメリットは、個人で手配するよりも総額が高くなる傾向にあることや、日程の自由度が低いことです。また、表示されているツアー代金に加えて、燃油サーチャージや空港諸税が別途数万円必要になるケースがほとんどですので、総額をしっかり確認することが大切です。
個人手配でかかる費用
ツアーを利用せず、航空券や現地の滞在をすべて自分で手配する「個人手配」は、費用を抑えられる可能性がある方法です。ただし、全ての準備と現地での対応を自分で行う必要があります。
個人手配の場合にかかる主な費用は以下の通りです。
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国際線航空券: 日本とネパール(カトマンズ)間の往復航空券。
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ネパール国内交通費: カトマンズからトレッキング開始地点(ポカラやルクラなど)への移動費(バスまたは国内線航空券)。
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ビザ(査証)代: ネパール入国時に必要です。
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許可証(パーミット)代: 入山料や国立公園入園料など。
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ガイド・ポーター費用: 現地でガイドやポーターを雇用する場合の日当。
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宿泊費: カトマンズやポカラでのホテル代、およびトレッキング中のロッジ(山小屋)代。
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食費・雑費: トレッキング中の食事代や飲料水代、その他の雑費。
これらの費用を合計すると、ツアーよりも安くなる可能性がありますが、手間がかかることは否めません。特にトレッキング中のガイドやポーターの手配、許可証の取得は、現地での交渉や手続きが必要です。
ガイド・ポーターの必要性
ネパール政府は2023年春以降、トレッカーの安全確保を目的として、単独でのトレッキングを原則禁止し、政府公認ガイドの雇用を義務化する方針を発表しています。
ただし、2025年時点の現場の運用では、一部地域でガイドなしのトレッカーが見受けられるといった情報もあり、状況が流動的な側面も指摘されています。とはいえ、安全管理や道迷い防止、高山病への対応、そして現地経済への貢献という観点からも、信頼できるガイドを雇用することは非常に有益です。個人手配であっても、ガイド費用は予算に組み込んでおくことを強く推奨します。
入山料(パーミット)は必須

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ヒマラヤトレッキングを行うには、ネパール政府や各国立公園が定める許可証(パーミット)の取得が必須です。これらはトレッキング中のチェックポストで提示を求められます。
必要な許可証はトレッキングを行う地域によって異なりますが、主に以下のものがあります。
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TIMS(Trekkers’ Information Management System)カード:
トレッカー情報を管理するための許可証です。以前は全域で必要とされていましたが、2023年以降のガイド必須化の動きと連動し、運用が変更されている可能性があります。一部の情報では、TIMS料金が改定(例:グループ参加で1,000ルピー、個人で2,000ルピー)されたとも言われていますが、2025年時点の体験談ではTIMSの確認がなかったという声もあり、情報が錯綜しています。
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国立公園・保護区入域許可証:
訪れるエリアの国立公園や保護区ごとに設定されています。これはTIMSとは別に入域料として必要です。
以下は、主要なトレッキングエリアで必要とされる許可証の料金目安(2025年時点参考)です。料金はネパール・ルピー(NPR)建てですが、米ドル(USD)で設定されているものもあります。
| 許可証の種類 | 対象エリア(例) | 料金目安(1人あたり) |
| サガルマータ国立公園入園許可証 | エベレスト街道 | 3,000 NPR |
| アンナプルナ保護区プロジェクト(ACAP)許可証 | アンナプルナ方面 | 2,000 NPR または 3,000 NPR |
| ランタン国立公園入園許可証 | ランタン谷 | 3,000 NPR |
| TIMSカード | (※要最新情報確認) | 1,000 ~ 2,000 NPR |
| 特別許可証(例:マナスル) | 制限区域 | 70 USD~/週(時期による) |
これらの許可証は、カトマンズやポカラの観光局(NTB)などで取得手続きが可能です。現地ツアー会社に依頼すれば、これらの手続きを代行してもらえることがほとんどです。
ネパールまでの航空券と滞在費
個人手配や現地ツアーを利用する場合、日本からネパールの首都カトマンズまでの国際線航空券は、総費用の中で大きな割合を占めます。
航空券の価格は、利用する航空会社(直行便は少なく、主にアジアの主要都市経由)、予約のタイミング、そして渡航時期によって大きく変動します。
トレッキングのベストシーズン(10月~11月、3月~4月)や、日本の大型連休(ゴールデンウィーク、年末年始)は需要が高まるため、航空券代も高騰する傾向にあります。この時期の往復航空券は、乗り継ぎ便でも18万円から23万円程度になることもあります。
一方、オフシーズン(雨季など)や早めに予約すれば、10万円から14万円程度で見つかる場合もあります。最近の最安値情報では、6万円台から見つかるケースもあるようですが、トレッキングに適した時期とはずれる可能性も考慮しなくてはなりません。
また、ネパール入国にはビザ(査証)が必要です。カトマンズの空港でアライバルビザが取得可能で、料金は滞在日数によって異なります(例:15日間で30USドル、30日間で50USドル ※2025年時点参考)。
カトマンズやポカラでの滞在費(トレッキング前後のホテル代や食費)は、日本の物価と比較すると安価です。ゲストハウスであれば1泊数千円から、食事もローカル食堂を利用すれば1食数百円で済ませることも可能です。
現地ツアーのメリットと相場
日本発のパッケージツアーではなく、カトマンズやポカラに到着してから現地のトレッキング会社が催行する「現地ツアー」に申し込む方法もあります。
現地ツアーのメリット
最大のメリットは、日本発のツアーに比べて費用を大幅に抑えられることです。日本からの航空券代が含まれていないため、その分安価になります。また、日程やコースのカスタマイズに柔軟に対応してくれる会社も多く、自分の体力や希望に合わせたプランを組みやすい点も魅力です。
現地ツアーの相場
現地ツアーの費用は、コース、日数、ガイドやポーターの有無、宿泊のグレードによって様々です。
2025年時点での一例として、ガイド、許可証、トレッキング中の宿泊・食事、国内移動(例:カトマンズからルクラへのフライト)などを含むパッケージで、以下の価格帯が示されています。
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エベレスト街道トレッキング(6日間程度): 約950~1,050 USドル
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エベレスト街道トレッキング(12日間程度): 約1,250~1,350 USドル
これらの費用に、日本からの往復航空券代(10万~20万円程度)を加えたものが総費用の目安となります。日本発のパッケージツアーと比較すると、総額で10万円以上安くなるケースも珍しくありません。
ただし、現地ツアー会社とのやり取りは英語が基本となる場合が多い点や、会社の質(ガイドの経験、安全管理体制)を見極める必要がある点には注意が必要です。
ヒマラヤ トレッキング 費用と計画の立て方

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ベストシーズンと費用の変動

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ヒマラヤトレッキングの費用は、訪れる時期によっても変動します。ネパールには大きく分けて乾季と雨季があり、トレッキングのベストシーズンは乾季にあたります。
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ベストシーズン(乾季): 10月~11月(秋)と、3月~5月(春)
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オフシーズン(雨季): 6月~9月(夏)
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オフシーズン(厳冬期): 12月~2月(冬)
ベストシーズンは天候が安定し、ヒマラヤの山々をクリアに見渡せる確率が最も高い時期です。そのため、世界中からトレッカーが集中します。
この時期は、日本からの国際線航空券代が高騰する傾向があります。また、人気のコースではロッジが混雑することもあります。
一方、雨季は雨や雲が多く、山々の展望は期待しにくいです。トレッキングルートもぬかるみ、ヒルが出やすくなるため、トレッカーは激減します。厳冬期は気温が極端に下がり、積雪でルートが閉ざされることもあるため、高地トレッキングは非常に困難になります。
費用面だけを考えてオフシーズンを選ぶと、トレッキング自体が困難になるか、期待した景色が見られない可能性があります。航空券代が多少高くても、安全と満足度を考慮すれば、ベストシーズンに計画を立てるのが賢明と考えられます。
コースの選び方と所要日数

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トレッキング費用は、選択するコースと所要日数に大きく左右されます。日数が長くなればなるほど、ガイド・ポーターへの日当、宿泊費、食費が積み重なっていくため、総費用は増加します。
エベレスト街道(ソル・クーンブ地方)
世界最高峰エベレストを間近に望む、最も人気の高いコースの一つです。通常、カトマンズからルクラまで国内線で飛行機移動します。
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所要日数: 10日~14日間程度(エベレスト・ベースキャンプやカラパタール往復)
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費用: ルクラへの航空券代(往復約400~500USドル)が別途かかるため、他の地域より高額になる傾向があります。
アンナプルナ方面
ポカラを起点とする、多様な景観が楽しめるエリアです。
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所要日数:
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プーンヒル・トレッキング: 4日~6日間程度。比較的短期間でヒマラヤの絶景を楽しめます。
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アンナプルナ・ベースキャンプ (ABC) トレッキング: 7日~12日間程度。
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費用: エベレスト街道に比べ、国内線航空券が必須ではない(ポカラまでバス移動も可能)ため、費用を抑えやすい傾向があります。
自分の体力、日程、そして予算を照らし合わせ、無理のないコースを選ぶことが計画の第一歩となります。
初心者の難易度と注意点
ヒマラヤトレッキングと聞くと非常に過酷なイメージがあるかもしれませんが、初心者向けのコースも存在します。
例えば、アンナプルナ方面の「プーンヒル・トレッキング」は、比較的標高が低く(最高地点約3,200m)、所要日数も4~6日程度と短いため、トレッキング初心者の方にも人気があります。
初心者が注意すべき点
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高山病(高度障害):
ヒマラヤトレッキングで最も注意すべきリスクです。標高が2,500mを超えるあたりから発症の可能性があります。プーンヒル程度であればリスクは比較的低いとされますが、エベレスト街道やアンナプルナ・ベースキャンプなど、4,000m以上を目指すコースでは十分な注意が求められます。
予防策は「ゆっくりと高度を上げること(高度順応)」です。日程に余裕を持たせ、高山病の症状が出たら無理をせず、高度を下げる勇気が必要です。
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体力:
初心者向けコースとはいえ、日本の登山道を数日間連続で歩き続ける体力は必要です。出発前に、荷物を背負って近郊の山を歩くなど、トレーニングをしておくと安心です。
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装備:
適切な装備(トレッキングシューズ、防寒着、雨具、寝袋など)が必要です。装備が不十分だと、低体温症や怪我のリスクが高まります。
難易度が低いコースを選ぶことは、安全面だけでなく、費用面(日数が短いため)でもメリットがあります。
初心者でも登頂を目指せる?

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トレッキングにおける「登頂」という言葉には、二つの意味合いがあります。
一つは、エベレスト街道のカラパタール(約5,545m)や、プーンヒル(約3,210m)のように、登山技術は不要で、トレッキングの延長線上で到達できる「展望台(ピーク)」への登頂です。これらは、適切な高度順応と体力があれば、初心者でも十分に目指すことが可能です。
もう一つは、メラ・ピーク(約6,654m)やアイランド・ピーク(約6,189m)といった「トレッキング・ピーク」と呼ばれる山々への本格的な「登頂」です。これらの山は、トレッキングに加えて、ピッケルやアイゼンなどの登山技術、そして氷河上を歩く経験が必要となります。
トレッキング・ピークへの登頂を目指す場合、特別な許可証(登山許可)が別途必要となり、費用も通常のトレッキングより大幅に増加します。
初心者の方が「登頂」を目指す場合は、まずはカラパタールやプーンヒルのような、トレッキングルート上の展望台を目標に設定するのが現実的であり、安全です。
信頼できる現地ツアーの選び方
個人手配で費用を抑えつつ、ガイドやポーターの手配を確実に行いたい場合、現地ツアー会社を利用するのが一つの解決策です。しかし、ネパールには数多くのツアー会社があり、その質は玉石混淆です。
信頼できる会社を選ぶためには、以下の点を確認すると良いでしょう。
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政府公認のライセンス:
ネパール政府観光局などに正式に登録されている会社かを確認します。
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ガイドの質と経験:
ガイドが適切なライセンス(政府公認ガイド)を持っているか、応急処置や高山病に関する知識が豊富かを確認します。
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保険の加入状況:
万が一の事故に備え、ガイドやポーターが適切な保険に加入しているかを確認することは非常に大切です。
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明確な見積もり:
ツアー料金に何が含まれ、何が含まれていないのか(例:飲料水代、シャワー代、チップなど)を書面で明確に提示してもらいましょう。
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レスポンスの速さと誠実さ:
問い合わせに対する返信が迅速かつ丁寧であるかどうかも、信頼性を判断する材料になります。
複数の会社(例えば3~5社)に見積もりを依頼し、サービス内容と価格を比較検討することをおすすめします。
ヒマラヤ トレッキング 費用総額の目安

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ここまで解説してきた内容を踏まえ、ヒマラヤ トレッキング 費用総額の目安をまとめます
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―記事のまとめ―
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ヒマラヤトレッキングの費用や計画に関する、信頼性の高い情報源(権威性のあるサイト)をまとめました。公式なルールやビザ(査証)、専門的なツアー費用を確認する際にお役立てください。
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ネパール政府観光局(Nepal Tourism Board)
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概要: ネパールの公式観光機関です。トレッキング許可証(パーミット)の種類、TIMSカードの規定、国立公園の入園料、安全なトレッキングに関する公式ルールなど、ネパール政府による最新の一次情報を確認できる最も権威性のあるサイトです。
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URL:
https://ntb.gov.np/
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在日ネパール大使館(Embassy of Nepal, Tokyo)
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概要: 日本国内におけるネパールの公式代表機関です。ネパール入国に必要なビザ(査証)の種類、申請方法、申請料金(米ドル建ておよび日本円建て)に関する最も正確な情報を掲載しています。アライバルビザやオンライン申請についてもこちらで確認できます。
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アルパインツアーサービス株式会社
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概要: 日本で最も歴史のある山岳・登山専門の旅行会社の一つです。ヒマラヤの登山隊やトレッキングツアーを長年にわたり手掛けており、その実績と専門知識は国内トップクラスです。具体的なツアー費用、日程、高所順応のノウハウなど、信頼性の高い情報を提供しています。
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株式会社 西遊旅行
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概要: ヒマラヤをはじめ、アジアや秘境エリアへのトレッキング・登山ツアーを専門に扱う大手旅行会社です。エベレスト街道やアンナプルナなど、定番から上級者向けまで幅広いコースのツアー料金や催行実績を公開しており、費用感の具体的な参考になります。
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株式会社 風の旅行社
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概要: ネパールやモンゴルなど、特定地域への専門性の高い旅を提供することで知られる旅行会社です。ヒマラヤトレッキングに関しても、現地に根差した詳細な情報や、初心者向けからユニークなプランまで、具体的な費用を含めた多様なツアー情報を提供しています。
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